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【難易度】★:低、★★:中、★★★:高

必須問題

必須
問題
出題数 90 予想
平均点
69 過去問
再出題
1 難易度

◆【物理・化学・生物】 予想平均:11/15 題、難易度:★
「物理」:例年に比べ難易度が低く、正解しやすい問題であった。
「化学」:オゾンや医薬品の構造、立体化学など基礎的な問題であった。また、生物と関連付けて解答する問題(問10)も出題された。難易度は中程度であった。
「生物」:例年通り、図形や構造式の問題がみられたが、過去問ベースの問題も多く、比較的正解しやすい問題が出題された。

 

◆【衛生】 予想平均:7/10 題、過去問再出題:1 題(問25:98 回問25)、
難易度:★
健康分野6 問、環境分野4 問の出題。出題基準に相当する基本的な知識を問うものが多い。初めて過去問再出題が見受けられた。油脂の変質(問16)、尿中曝露指標(問21)のように化学構造からのアプローチもできるように意識して、知識を習得しておく必要がある。

 

◆【法規】 予想平均:9/10 題、難易度:★
難易度は高くなく基本的な知識を問うものが多かったが、今までよく問われている用語を直接問うのではなく、その周辺の内容に関する問題が増えている(問71,76,77)。また問79(リスボン宣言)では、本宣言が「患者の権利宣言」であることは過去出題されているが、それを直接解答とするのではなく、その知識をふまえ、解答しなければならない問題であった。

 

◆【薬理】 予想平均:13/20 題、難易度:★
既出問題との類似した内容が多く、難易度は低い。

 

◆【薬剤】 予想平均:9/15 題、難易度:★★
基礎的な知識を問う問題が多かったが、考えさせる問題も数問みられ、難易度は低くはない。考えさせる問題は、肝抽出率(問48)、造粒の目的(問52)、溶出試験法(問54)などであり、単純に選択させる問題ではなく、考えさせる問題であった。

 

◆【病態・薬物治療】 予想平均:10/15 題、難易度:★★
例年に比べ「薬物治療に役立つ情報」の分野からの出題が多かった印象。過去問ベースの出題が多かったが、表現を変えるなどして難易度を少し高めた傾向があった。読解能力も合わせて問われる国家試験だったといえる。

 

◆【実務】 予想平均:9/10 題、難易度:★
過去問ベースの標準的な出題であった。問90 は細かな違いを理解する必要があったものの、全体的には過去問を十分に解きこなしてしていれば容易に解答へ導けたと思われる。



一般問題(薬学理論問題)

物理 出題数 10 予想
平均点
5 過去問
再出題
0 難易度 ★★

難易度はやや高めではあるが、過去問類似の記述も複数あり、得点しやすい問題も多い。計算問題は例年より多く4 題(問94、95、96、97)出題され、計算力も求められる。また、機器分析(問98:クロマトグラフィー、99:核磁気共鳴スペクトル測定法、100:質量分析法)などは従来通りの出題であり、得点源になったと考えられる。

化学 出題数 10 予想
平均点
4 過去問
再出題
0 難易度 ★★★

全体として難易度は高め。有機反応の問題は解きやすい問題(問102:アルケンのオゾン酸化、104:医薬品合成)もあるが、問101(アルケンの反応)、103(ヒドリド還元)などは反応の本質を理解していなければ解答にたどり着きにくい。また、昨年同様、医薬品関連(問106、107)は難易度が高く、構造から特徴を読み取り、応用する力が必要とされる。
生薬分野(問109)では、生薬成分の構造のみから生合成過程の詳細を説明できる必要があり、昨年より更に難易度が上がっている。

生物 出題数 10 予想
平均点
5 過去問
再出題
0 難易度 ★★

難易度はやや高め。近年多く出題される図(問111、112)や構造式(問113)、実験データから考察する問題が2 題(問117、119)出題され、例年通り考える力を問う傾向が強い。また、薬の作用点や病気に関連する範囲の問題(問113)が出題されていることから、医療につながる内容もみられた。

衛生 出題数 20 予想
平均点
10 過去問
再出題
0 難易度 ★★★

健康分野9 題、環境分野11 題の出題。従来とは異なる問い方に加え、一つ一つの事象の正確な理解も必要であり、全体の難易度は高い。図表、グラフ(6 題)や計算問題(3 題)(糖代謝(問121)、保健統計(問124)、疫学(問125、126)、死因別死亡の変遷(問128)、BOD、COD(問138))、また化学構造関連問題3 題(職業がん(問131)、化審法(問135)、シックハウス症候群(問140))も必須同様に多く見受けられ、101 回国試よりも思考力、応用力を求める問題は増えた印象である。
また、時事問題(食品表示法、機能性表示食品(問122)、ジカウイルス感染症(問127)、膀胱がん(問131))も多くあり、情報を正確に理解する必要がある。

薬理 出題数 15 予想
平均点
10 過去問
再出題
0 難易度 ★★

骨粗しょう症治療や気管支喘息治療に用いられる分子標的薬の新出題が見られた。
全体的には既出問題との類似問題が多く、難易度は例年通りである。101 回に引き続き、脂質異常症に関する問題(問160)は、作用機序を詳細に問う傾向にある。また、局所麻酔薬に関する問題(問154)では、数年ぶりに化学構造から薬理作用を問うものが出題されている。

薬剤 出題数 15 予想
平均点
9 過去問
再出題
0 難易度 ★★

【薬物動態】
前年と比較して得点しやすい内容であった。また、吸収(問165)は問題文を正しく読まなければ、正解にたどり着けず考えさせる問題もあった。

 

【物理薬剤】
やや難化傾向であった。特に反応速度式(問174)は、グラフから0 次式と1 次式を判別できた上で計算する問題であり物理化学での知識も多少必要であった。

 

【製剤】
新傾向として、日本薬局方17 改正で新たに追加された内容が出題された。問177 包装適格性、問178 吸着-脱着等温線測定法が新出題であるが、過去問を理解していれば消去法で正解へ導ける問題であった。

 

過去の国試をベースでの出題がほとんどであり、暗記ではなく理解を問う問題がほとんどであった。
やはり過去の問題の内容をしっかり理解することが必須である。

病態・薬物治療 出題数 15 予想
平均点
9 過去問
再出題
0 難易度 ★★★

問183(中耳炎)、問185(褥瘡)、問193(生体リズム)といった、新規内容を問う問題が多く見られたため、受験生には難解な問題であったと予想できる。

法規・制度・倫理 出題数 10 予想
平均点
5 過去問
再出題
0 難易度 ★★★

例年と比較して、難易度は高く、単なる暗記で対応できない問題が多数あった。また、今までは条文からそのまま出題されているような問題が多かったが、今回は条文での記載ではなく、内容を重視した問題文が多い。また、問148 は単なる国民医療費の暗記ではなく、保険制度の成り立ちの知識も必要とする問題であり、単なる暗記では対応できない問題もみられた。149 では初めて決定樹に関する問題が出題された。



一般問題(薬学実践問題)

物理+【実務】 出題数 10 予想
平均点
5 過去問
再出題
0 難易度 ★★

難易度は中程度〜やや高め。難易度が高い問題も見受けられるが、特に実務の問題が例年よりも解きやすい印象であった。

化学+【実務】 出題数 10 予想
平均点
5 過去問
再出題
0 難易度 ★★

難易度は中程度〜やや高め。実務の出題は、比較的容易に正答できる問題が多い。化学の出題は、医薬品関連の問題が多く見られたが、過去問の知識の応用、もしくは薬剤など他科目の知識と繋げて考えることが求められた。

生物+【実務】 出題数 10 予想
平均点
6 過去問
再出題
0 難易度 ★★

他科目の知識から解く問題(問225)や病態の特徴を知っていなければ解けない問題(問218)が特徴的であり、理論問題同様医療につながる内容がみられた。しかし、過去問をしっかり理解しておけば、正解できる問題も多くあったため、中程度の難易度である。

衛生+【実務】 出題数 20 予想
平均点
11 過去問
再出題
0 難易度 ★★

健康分野「6 題」、環境分野「4 題」の出題である(実務10 問は除く)。
衛生分野及び実務分野ともに基本的事項が多かったが、理解内容によって難易度はやや高い。近年、学校薬剤師の水質検査(問242、243)や乱用薬物防止講座(問240)など実地的な問題の出題が増えている。また、感染症や予防接種関連の問題が3 セットと多く出題された。一般理論問題同様、より幅広い知識や法規や治療など他科目と関連させられるかどうか、また問231 のような表からの読解力が求められている。

薬理+【実務】 出題数 20 予想
平均点
18 過去問
再出題
0 難易度

難易度は低い問題が多かった。薬理の範囲では、新出題の薬物はなく、内容も基礎的であった。実務の範囲では、副作用について問う問題が多く見られた。主作用だけでなく代表的な副作用と、その発現機序についての出題が今後も増えることが予想される。

薬剤+【実務】 出題数 20 予想
平均点
11 過去問
再出題
0 難易度 ★★

臨床現場に近い問題から薬剤の理論的な問題まで幅広く出題されており、全体としてやや難化がみられた。イリノテカンの代謝(問266、問267)は101 回 問190(病態・薬物治療)を正しく理解していれば容易に正解できる問題であった。また、薬物相互作用(問272、問273)では金属との難溶性キレートがまた出題されている。今後の国家試験でも出題される可能性が高いため、必ずおさえておくべき事項である。101 回と同様に問264〜問267 は薬理—薬剤の連問で出題された。今後もこの形式が続くと予想される。

病態・薬物治療+
【実務】
出題数 20 予想
平均点
14 過去問
再出題
0 難易度 ★★

既出の疾患が多く見られたが、過去問レベルの知識では対応しきれない切り口の選択肢が複数見られた。今後は疾患を掘り下げて理解していくことが必要となる。

法規・制度・倫理+
【実務】
出題数 20 予想
平均点
16 過去問
再出題
0 難易度 ★★

難易度は例年とほぼ変わりがないが、処方箋などの記載があり問題文が全体的に長くなり、同様の問題は増加傾向にある。また実務分野での出題は基本的な問題が多く、法規よりも難易度はやや低い。

実務 出題数 20 予想
平均点
13 過去問
再出題
難易度 ★★

科目の垣根をなくした問題(問330、331、332、340)や、与えられた情報より解答を考察する問題(問341、345)が見られ、全体的に思考力、応用力が求められた。今後は、実習体験をもとに薬理、病態・薬物治療を学習し、総合力を培っていくことが課題といえる。
また、101 回と同様、計算問題が4 題出題されており、年々高度な計算手法が要求されている。計算に苦手意識のある者は、早い段階から演習を重ねておく必要がある。



全体分析と今後の展望(対策)

1)必須問題
出題基準に相当するレベルであり、第101 回並みの正答率であった(83.5%)。以前は科目によって正答率の低い科目もあったが、今年は低くても75%程度で、全科目を通じて偏りは無くなった。
今後の展望(対策)として、低学年の方は早期に基礎力を固めること。今後受験する方は一つ一つの事項を正確に理解するような学習を目指していただきたい。

 

2)一般問題
全体的に難易度の高い問題は多い。第102 回薬剤師国家試験は、医薬品の化学構造や臨床を意識した実践力を問う問題、計算力、読解力、思考力を求める内容は多い。特に基礎系、衛生が難しく、次の試験、もしくは翌日へのメンタルの切り替え等も試験に大きく影響している。
今後の展望(対策)としては、既出の知識をもとに問題を解決する能力が求められる。出題者の意図をよく理解し、正解を導くための理論展開に重点を置いた学習が必要である。

 

3)その他

  • 全体として、第101 回時と比べ約3%(約10 点)得点が低下した。難易度が高かったとされている第99 回・第100回時に近い結果である。しかし、確実に得点すべき(正答率60%以上)問題は約237 題(メディセレ自己採点システムより分析)あり、第101 回時ほどではないが比較的多かった。
  • 過去問の再出題は1題。旧制度(240問)の過去問も含め、それらをベースにした類似問題は多い。
  • 一般実践問題は、複合問題4連問の出題は2題あり(問222〜225実務-物理-実務-生物、問264〜267実務-実務-薬剤-薬理)。また、科目の繋がりがある総合問題も見受けられた(問194〜195病態-薬理)。
  • 計算問題は昨年同様に大変多かった。
    102回国試:計算問題20題(必須3題、理論8題、複合9題)
    例)101回国試:計算問題18題(必須1題、理論10題、複合7題)
      100回国試:計算問題17題(必須1題、理論10題、複合6題)
  • グラフや図表の設問も増加しており、思考力が求められる。
    102回国試:グラフ関連問題 15題(必須3題、理論9題、複合3題)
          図表関連問題 14題(必須3題、理論7題、複合4題)
    例)101回国試:グラフ関連問題 9題(必須1題、理論4題、複合4題)
            図表関連問題 24題(必須3題、理論13題、複合8題)
    100回国試:グラフ関連問題 16題(必須3題、理論10題、複合3題)
          図表関連問題 7題(必須1題、理論5題、複合1題)
  • 過去問の暗記に偏重した学習では対応しにくく、薬剤師としての提案が必要な問題、思考・思案が求められる問題が全体を通して非常に多い。今後はこの傾向は続くと予想される。

 

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