medisere メディセレ 川井 児島

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第6回次世代の薬剤師を創る会 薬剤師のソコヂカラ 第1部

薬剤師のソコヂカラ 第2部

こんにちは。メディセレ病態整理・薬物治療担当の川上絢美です。
先日、11月13日(日)に薬剤師研修センター認定「次世代の薬剤師を創る会」を実施いたしました。
今回も意識の高い100名を超える薬剤師の先生方、6年生薬学生がメディセレに集まって下さいました。

メディセレの勉強会では、1日に認定シール3点分を発行致します。と、いうことで内容は盛りだくさんです。

1部 自由演題
2部 吸入薬のピットホール 大林 浩幸先生
3部 特別講演 薬剤師のソコヂカラ 昭和大学薬学部 准教授 倉田 なおみ先生

各部とも大好評でしたが、
今回は第2部大林先生の『患者吸入指導のコツと吸入デバイス操作法のピットホール』
のレポートです。

大林先生は東濃喘息対策委員会で委員長を勉められ、全国から喘息やCOPDの患者様がやってこられる東濃中央クリニックの院長でもあります。
現在、600名の予約が入っており、三週間先まで予約が取れないほどの人気の先生です。
座長は僭越ながら、私川上絢美が務めさせていただきました。(このように高名な先生の講演の座長、とても光栄なことです。)

残念ながら日本は先進国の中では喘息死の多い国です。

講演の前に私が「気管支喘息やCOPDが難治化する理由で最も多いのは何ですか?」と伺いました。
そうすると、驚くべき答えが返ってきました。
なんと、吸入薬が正しく吸入されていないことによるというのです。これは薬剤師にとって由々しき問題です。

近年、様々な吸入薬が発売され、治療選択性が広がったのは良いことですが、その一方でデバイスの使用法に戸惑う患者様も多く見られます。
特に高齢患者ではデバイスの誤操作が顕著です。
老眼や耳が遠くなるとカウンターの数値が見えない、デバイスに薬剤が充填された際のクリック音(カチッという音)が聞こえないなどの問題が生じます。
さらに高齢者では一度使用法を理解したと思っても、実際に再診時に確認すると、我流の操作法になっている場合や、突然それまで出来ていた操作手技が出来なくなることも多々あります。

この吸入薬の服薬指導は現場の先生方ならご存じかもしれませんが、初期導入ではかなり時間がかかってしまいます。
場合によっては30分以上指導にかかることも…。
一人の患者様に30分の時間をかけてしまうと業務効率が悪くなります。
しっかり服薬指導できたのは1名、残りの10名の患者様には指導できなかった、では本末転倒です。

そこで、吸入薬を使用する際のピットホール(患者が陥りやすいミス)を知ることが重要になるわけです。
ピットホールにフォーカスして確認することで、効率の良い服薬指導が可能になります。
吸入の指導のコツは、1回の指導に時間をかけるのではなく、何度も確認し、反復してデバイスの使い方を指導することです。
薬剤師や医師にとっての常識は、患者にとっては非常識ということはよくあり、これがピットホールとなるのです。

例えば、皆さんにとっておなじみのタービュヘイラー(シムビコート)。

これはデバイスの下の赤い部分を回すことで、薬剤が充填されます。
しかし、ここにピットホールが…。
医療者にとっては、イラストの様に立てた状態で赤いグリップを回すというのは常識ですが、患者様にとっては非常識なのです。

患者様の中にはグリップを回すとき、力を入れやすいようにぞうきん絞りの要領でデバイスを横にしてしまわれる方がいます。

このようにしてしまうと薬剤が充填されず正しく吸入できません。
グリップを回すときには当然デバイスを立てているだろう、というのはあくまでも医療者の常識です。患者様にとっては常識ではありません。

また、グリップを回すと薬剤が充填されたことを知らせるカチッというクリック音がします。
聴力がある程度以上の患者様ならこの音を確認できますが、高齢者では聞こえていない方もいます。

ピットホールはそれだけではありません。皆さんはこのタービュヘイラーを振ってみられたことがあるでしょうか?
じつは振るとシャカシャカといい音がします。
これは乾燥剤の音です。
乾燥剤は吸入しませんので、薬剤がなくなってもシャカシャカという音はします。
すると、患者様の中には音がするため、薬剤がまだ中に入っていると勘違いされることがあるのです。これもピットホールとなります。

薬剤師であれば乾燥剤が入っている意味はおわかりですね。
そうです。
シムビコートは湿気に弱いのです。
だからこそ乾燥剤が充填されており、キャップがついているのです。
しかし、これも医療者の常識、患者様にとっては常識ではありません。
吸入時にはデバイスを口にくわえますので、患者様によっては不潔に感じられ、吸入口を渇かすためにキャップを開けて保管なさる方もいます。
すると、中の薬剤が吸湿し、正しく吸入できなくなってしまうこともあります。

 

つづきましては、ディスカス(アドエア)です。こちらも皆さんにはおなじみの吸入デバイスですね。



ロタディスクと比較すると大変使い勝手が良くなりました。

こちらがディスカスの説明書です。
わかりやすく、簡単に吸入できる様に見えます。

しかし、この優れたデバイスにもディスカスにもいくつかのピットホールが存在します。まず、この2番目の手順。

ディスカスはレバーを押すことで薬剤が充填される仕組みになっているのですが、この時、レバーをきっちり最後まで押さずに吸入されている方がいます。
カチリと音がしますが、これも耳の遠い方では聞こえないでしょう。

 

次なるピットホールは実際に薬剤を吸入する3番目の操作です。

吸入する際に注意すべき点はデバイスの中に空気を吹き込まないことです。
息を吹き込んでしまうと装填された薬剤がデバイスの外に吹き飛んでしまいます。
ですから、できれば患者様には大げさですが、横を向いて息を吐き出しその後デバイスを加える、というように指導します。
可能であれば、一度患者様に使用されているデバイスを薬局に持ってきていただくのが良いです。
もしカバーを開けた際に「ジャリッ」という音がしたら、デバイスに息を吹き込んでいます。
このような場合には患者様に今一度3の手順を指導しなければなりません。息を吐くときには横を向いていただくようにしましょう。

3の手順ではもう一つのピットホールがあります。
私たちからするとデバイスを水平にして吸入するのは常識ですが、患者様にとってはそうではありません。
ときどき前屈みになって吸入している患者様を見受けます。
この状態では相当強い力で吸入しなければ重力によって薬剤がデバイス内に残りやすくなりますし、この状態では薬剤が口蓋垂(のどちんこ)を直撃してしまいうまく吸入できません。

 

驚くべきことに、手順4にもピットホールが存在するのです。

この図では単にスライドさせてカバーを閉じていますが、これも医療者の常識。
患者様にとってはそうではありません。
カバーをスライドさせると自動的にレバーが元に戻ります。
これを御存じなく、爪で引っ掻いて一生懸命レバーを戻されている方もいらっしゃいます。
デバイスが壊れます…

このように優れたデバイスといえども数々のピットホールが存在するのです。

 

大林先生はこのようにおっしゃいました。

「いずれのデバイスも十分な開発費用と期間をかけた優れた吸入器具です。
ピットホールは、決してデバイスの欠点や欠陥ではなく、主に患者側の要因(患者の加齢減少、癖や性格、その日の体調等)によるものが多いのです。
従って、生じるピットホールは患者ごとに異なり、また、同一患者でも時期の変化で新たに生じることもあります。
大切なことは薬剤導入前に、変更後に、そして、その後も定期的に患者さんの個性や癖、加齢現象などの変化を把握することです。」

つまり、ある1人の患者にとって、最良のデバイスとは、その患者に馴染み、日々の吸入に際してストレスや戸惑いがなく、正しくスムーズに行え、患者のアドヒアランス向上と維持に貢献するものなのです。
仮に使用初期にピットホールがあったデバイスでも、患者がそれを意識するよう指導し、その後正しくスムーズな吸入が行われるようになれば、デバイスは患者の最良の候補になり得るのです。
ただ吸入指導をするのではなく、吸入デバイスと患者様との相性も考え、その後の継続的な吸入指導を行い、患者にとって最良のデバイスとの出会いを手助けする使命が薬剤師や医師にはあります。
その基礎となるのが医薬・薬薬連携ですね。大林先生は現在「喘息死ゼロ作戦」を推進なさっています。
私たちもこの作戦に吸入指導を介して貢献できれば、これほど大きな社会貢献はありません。

 

こちらの勉強会の内容は、大林先生の名著、「患者吸入指導のコツと吸入デバイス操作法のピットホール」にわかりやすくまとめられています。

3,990円ととってもお求めやすいお値段です。
日常私たち薬剤師が指導する吸入薬のほとんどが掲載されており、大判で見やすいので患者様への指導の際にも最適です。

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