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6月3日 第7回次世代の薬剤師を創る会開催!(5)

先日、現役薬剤師の勉強会「次世代の薬剤師を創る会」をリニューアルしたメディセレ大阪校で開催致しました。今回も大盛況で、90名を超える先生方にお集まりいただきました。

次世代の薬剤師を創る会は3部から構成しており、薬剤師研修センター認定のシールを3点取得できます。研修内容が充実していますので、半日という短い時間で3点取得が可能です。認定薬剤師を目指していらっしゃる方は、ぜひご参加下さい。

次世代の薬剤師を創る会は、早いもので今回は第7回の実施です。今回のプログラム構成は、以下の内容で実施いたしました。特別講演の西村周三先生のご講演はもちろんのこと、一般口頭発表の先生方のレベルも高く、すぐに実務で活かすことのできるものばかりでした。

第一部

一般口頭発表

  • 漢方のちょっと小粋な服薬指導 わに薬局 保井 洋平先生
  • 小児救急と薬剤師業務 神戸こども初期急病センター 打上 奈穂子先生
  • 病棟薬剤業務実施加算とこれからの薬剤師に期待されること
    市立堺病院 薬剤部主査 安井 友佳子先生
  • インシデント対策 慣れてきてから起こる間違いの原因について
    株式会社 祥漢堂 田中 映規先生
第二部 特別講演
「薬剤師と医療経済」
国立社会保障・人口問題研究所 所長 西村 周三先生
第三部 一般講演
「心理ワーク」
医療心理学協会 児島 惠美子先生

今回は、特別講演です。
座長は、弊社(メディセレ)の社長であり、医療心理学協会代表理事でもある児島惠美子先生です。
演者は、西村 周三先生です。西村先生は、京都大学大学院名誉教授を経て、現在、国立社会保障・人口問題研究所所長を務めていらっしゃいます。専門は医療経済学、同分野の日本における草分け的存在の1人で、医療経済学会の初代会長を務められました。

特別講演では、「薬剤師と医療経済」という演題で、今後、薬剤師が直面するであろう問題点等をテーマに、分かりやすくお話いただきました。その講演の概要がこちらです。

1. 調剤薬局の現状と将来について
我が国では医薬分業が進み、過去10年間で薬局調剤医療費は倍にまで伸びました。しかしその内訳を見ると、薬剤料は順調に伸びていますが、調剤技術料や指導管理料はあまり変動がありません。

調剤や指導管理はまさに薬剤師の主な業務であり、今後は調剤技術料や指導管理料をいかに伸ばすのかを、薬剤師は考えなければならず、単に薬の難しい名前と飲み方だけを説明するだけのような服薬指導では不十分であり、その結果が「薬局の集中度※1」にも現れているのではないかと西村先生はおっしゃいます。
※1:集中度とは、経済力の一部が特定の企業に集中していること。

現在、薬局はチェーン展開が進んでいますがその集中度は低いと言われています。集中度が低いということは、患者さんが特定の薬局を持たず、どこの薬局に行っても差がないと感じている現れです。

薬剤師が薬局の利益を考えるのであれば、単に一生懸命働くことだけでは不十分であり、これからの薬剤師は患者の話に耳を傾け、患者のニーズ(顧客ニーズ)を掴み、それが最終的に薬局の利益につながると西村先生はおっしゃいます。

2. 薬剤師数の将来と職場の見通しについて
2003年に薬学部の規制緩和が始まり、薬学部数および定員は増え、薬剤師数は今後も増加すると考えられています。その現状をふまえ厚生労働省から次のような研究報告がありました。

現在、薬剤師の需給ギャップはほぼ解消されているとありますが、この報告書内容はやや楽観的であると西村先生は指摘されました。このままいくと薬剤師数はさらに増え、いずれ薬剤師が過剰になるおそれがあります。そのためにも薬剤師はこれから在宅医療やOTC薬へもっと関与し、さらに薬局の地域偏在を解消することで、増加する薬剤師の吸収を図る必要があります。

過去一貫して薬剤師数は増加の一途をたどっています。しかし、今までは薬剤師が増えてもその勤務先として同じように増加する薬局がありましたが、すでにその薬局数も頭打ちになろうとしています。





そのためには、ワークシェアリングの検討や「医薬分業」をさらに進める必要があります。とくに医薬分業をさらに推進するためには、分業を進めない医師の気持ちを推量しなければなりません。

薬局はこれらの問題を解消するためにも、患者さんに「薬局に来てよかった」と思わせる何かを提供しなければなりません。

その1つのヒントとなる例を西村先生はお話しして下さいました。
「患者さんはもらった薬をどのくらい正確に服用しているか知っていますか?」
「実際に調査をしたところ、約半分は飲まれずに捨てられていました。」
なんと半分もの医薬品はゴミになっていたのです。我が国は比較的処方薬数の多い国だと言われていますが、処方薬の少ない英国でもやはり半分が捨てられていたそうです。これは薬の数の問題ではなく、患者さん自身の問題が考えられます。
「なぜ、飲み忘れるのか?」、「なぜ、薬の服用を勝手にやめてしまうのか?」、このような患者さん自身の問題に耳を傾けられるスキルが今後の薬剤師には求められます。そのためにも今後の薬剤者は臨床心理の知識等を身につける必要があるのではないでしょうか。

3. 少子高齢化問題と経済問題について



1.2の背景をふまえ、これらの問題についてお話しいただきました。

1970年頃は1人の高齢者(65歳以上)を、御輿を担ぐような状態(15〜64歳の人、約10人)で、1人の高齢者を支えてきましたが、2010年(現在)は1人の高齢者を、約3人で支える状態になっています。そしてこのままいくと2060年には1人の高齢者を約1人で支えなければいけない状態になるそうです。まさに我が国では少子高齢化が大きな問題となっています。

特に2025年以降には75歳人口が増加すると予想されています。少子高齢化問題はすぐに解決できる問題ではありませんが、50年後のためにどのような手を打つか考える必要があります。さらに、西村先生は非常に興味深いお話をして下さいました。

高齢になるに従い、介護を必要とする人が増えますが、あるデータでは「単身者のケアの方が、複数者世帯よりケアが難しい」という結果が出ているそうです。一般的に単身者は1人暮らしのため忍耐力があまりない。2人以上で暮らした方が忍耐力のみならず、生活費等の面でもメリットが高くなるそうです。驚きです・・・これからの日本の医療や介護を検討する上で、単身世帯であるかどうかも関わってくるのです。

しかし、残念ながら我が国では1人世帯数が増えています。特に都市部で増えているそうです。



4.医療費について

最後に医療経済の大きな問題となっている医療費についてお話を聴かせていただきました。
社会の変化に伴い、医療費も賢く使う必要があると西村先生はおっしゃいます。
現在日本の経済状況は悪く、これからの医療費を支えるためには様々な工夫が必要になります。

例えば、先程あったように半分は飲まずに捨てられる医薬品をどうするのか、無駄になっている処方薬の削減等がその工夫の1つになります。そのためには患者さんの話を聴き、必要な時に正しい指導ができる薬剤師が求められるようになります。まさに「健康指導助言者」、これこそがカリスマ薬剤師であると西村先生はおっしゃいます。

イギリスの国民保健サービス(National Health Service:NHS)は「病気は誰の責任か」という根本的なところを考え直し始めました。

答えは「遺伝や生活環境」と「患者自身の責任」。これらがおおよそ半々で、患者さん自身も半分は自分の責任であるという自覚を持っています。そしてこのような患者さんに対し、医療関係者はどのように対応しているかといえば、病気になった人はかわいそうで、できることが限られている・・・そのような意識から患者さんを(お子ちゃま)扱いしていたのではないか?しかし、薬の知識があることを前提に難しい説明をする(大人扱い)・・・これも適切ではない。医療関係者に求められる対応はその中間ではないか?とNHSが問題提起したそうです。西村先生もまさにその点をご指摘なさいました。

薬剤師は、大学で6年間勉強し、その知識をついつい教えたくなるが、本当のカリスマ薬剤師は患者さんの心情を推量し、中間的な態度(nudge※2)、「患者さんが薬を服用しようとする思いを、そっと後押ししてあげるような姿勢」ができる人であるといいます。
※2:「nudge」とは、本来「注意や合図のために人の横腹を特にひじでやさしく押したり、軽く突いたりすること」を意味する。

最後は、「これからそれぞれの場でのこのようなカリスマ薬剤師としての活躍を期待している!」と、西村先生から激励をいただきました。
貴重なご講演を聴講できました。西村周三先生、本当に有り難うございます。

 
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